
飛水
穏やかに続く幸福と繁栄を表す青海波に、運命を切り拓き成功へ進む象徴として鯉を立体的にあしらった作品です。

神社や寺院を彩る彫刻には、長い年月を越えて受け継がれてきた技と、人々の安寧を願う心が刻まれています。豊田彫刻工房は、祈りの空間を形づくってきた社寺彫刻の技術を、現代の暮らしに寄り添う木彫作品へとつなげています。

豊田彫刻工房の歩みは、先代が昭和期の日光東照宮の大修理に携わるため、香川県から関東へ移り住んだことから始まりました。1959年、埼玉県寄居町に工房を構え、社寺建築彫刻を中心に技を磨いてきました。
植物、動物、雲、波といった社寺彫刻の意匠には、厄除けや繁栄、平和への願いが託されています。工房は、木目や硬さを読みながら、建築の中で生きる奥行きと表情を一点ずつ彫り上げています。

作品には、神社や寺院の建築彫刻で生じたヒノキやクスなどの端材も用いられています。建築材としては小さくても、木が持つ香りや木目、長い年月を生きた素材としての魅力は失われません。
職人の手で新たな形を与えることで、祈りの場につながる木が、暮らしの中で再び役割を持ちます。
豊田彫刻工房が目指すのは、社寺のために磨かれてきた技術と、日本の自然観や祈りを、日常の空間で感じられる作品として届けることです。和菓子の落雁を思わせる繊細な佇まいを持つ作品群にも、小さな形の中に季節や自然、祝いの意味を込める日本の精神性が重ねられています。

穏やかに続く幸福と繁栄を表す青海波に、運命を切り拓き成功へ進む象徴として鯉を立体的にあしらった作品です。

吉祥の象徴である富士山と、喜びの前触れとされる瑞雲を表現。背景には健やかな成長と繁栄を表す麻の葉模様が刻まれています。

瑞雲のような柔らかな吉兆の気配をまとった一輪挿し。一輪の花を添えることで、祝福が花開く瞬間を静かに表現します。
豊田彫刻工房が掲げる存在意義は「平和をもたらす」こと。一つの彫刻を眺める時間が心を少し穏やかにする。そんな静かな瞬間の積み重ねを、職人の手仕事から届けています。
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